Monday, December 23, 2013

【有馬記念】オルフェーヴル、夕闇の引退式 強さ見届けた12万4000人



【有馬記念】オルフェーヴル、夕闇の引退式 強さ見届けた12万4000人
スポットライトに照らされながらファンの前に姿を現したオルフェーヴル
 ◆第58回有馬記念・G1(22日・芝2500メートル、中山競馬場、良) 8馬身差の圧勝劇から1時間半。スポットライトに照らされた夕闇の中山競馬場で、最強馬オルフェーヴルがファンに別れを告げた。引退式で「最高のパフォーマンスが見せられた」と語った池江泰寿調教師(44)=栗東=は、凱旋門賞制覇の夢を2世に託した。

 かつてのライバルも、昨年の覇者も、ちぎり捨てた8馬身差。過去最高ともいえるパフォーマンスに池江調教師は、ただ、驚くしかなかった。「びっくりです。凱旋門賞でピークにもってきたぶん反動が出て、調整が難しかった。8分くらいの状態だと思っていたが、能力の高さで勝ってくれた」

 レース直前。池添にはこう話した。「トレヴみたいなレースをしてくれ」。ファンを魅了し続けてきた最強馬。最後も“らしい”競馬で終わってほしかった。13番手追走から3コーナー過ぎでスパート。直線で後続を引き離すレースぶりは、まさに今年の凱旋門賞で後塵を拝したフランスの最強牝馬の姿と重なった。「謙一君とオルフェらしい競馬」。引き揚げてくる最強コンビに送られた“オルフェコール”を池江師も心の中でそっとつぶやいた。

 普段、競馬で泣くことのない勝負師だが、オルフェーヴルとの3年半で涙した瞬間が2度あった。史上7頭目の3冠を達成した夜。見覚えのない番号からメールが届いた。「3冠達成おめでとうございます。相当なプレッシャーだったと察します」。83年の3冠馬ミスターシービーを育てた松山康調教師からだった。体験した者だけが分かる重圧。張り詰めていた糸が切れたように涙があふれた。

 2度目が、昨年の凱旋門賞だ。日本の夢である勲章を手に入れたと思ったゴール寸前、ソレミアにVをさらわれた。レース後はこらえていたが、ホテルで一人になった瞬間、涙がとめどなくあふれた。「悔しくて泣いたのは初めて。あのつらさは言葉では表現できない」

 天国も地獄も一緒に味わってきた。「家族のような、かけがえのない存在。すてきな3年半でした」と振り返った池江師は、産駒でのリベンジを心に描く。「オルフェーヴルの子供で凱旋門賞を目指したい」。その強さで、12万4000人の観衆をあ然とさせた最強馬が、新たな夢のつぼみを膨らませた。

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